自分好みの美味しいオリジナルポン酢の作り方

ポン酢の基礎知識

日本の家庭料理においてポン酢は、今やしょうゆ、塩、砂糖などと並ぶほどの必須の調味料になっています。すっかりお馴染のポン酢ですが、概念としては柑橘類の果汁を使用した和食向けの調味料です。

 

もう少し突っ込んで言えば、柑橘類(レモン、ライム、ユズ、スダチ・カボスなど)の果汁に酢酸を加え、調味料として味を調え、保存性を高めたもので、酢酸を加えていない柑橘類果汁の場合は特別に生ポン酢と呼ぶ人も多くいます。ポン酢に醤油を混ぜ、「ポン酢醤油」としたものも、既にかなり一般的です。

 

考えてみれば変わった名称ですが、ポン酢はもともと外来語の「ポンス」というのが転訛して、これに「酢」という漢字を充ててつくられた言葉のようです。オランダ語の「ポンス」に由来し、オランダでは、蒸留酒、柑橘類の果汁、砂糖、スパイスを混ぜて、カクテルの一種とされていたのです。

 

「楢林雑話」という1799年の書籍には、「和蘭の酒をポンスと云、これを製するには、焼酎一杯、水二杯沙糖宜きほどに入、肉豆蒄、香気あるために入」と記載されています。つまり、なかなか歴史のあるものだというわけです。

 

ただし、柑橘系果実の絞り汁を指すようになったのはもっと後からで、1884年の東京横浜毎日新聞に出てきています。また、19世紀末から20世紀初頭では薬用であり、「ポンス」、「ポンスシロップ」として販売されていたそうです。